アフターピルを飲んだ後に知っておきたいこと
アフターピルは、飲んですぐには効いたかどうかが分かりません。飲んだ後の生理の来方、妊娠検査の時期、吐いてしまったときの対応を、学会の指針と添付文書をもとに順に説明します。
- 飲んだ後、80%以上の人は、予定の生理の日の前から2日後までに生理が来ます。95%は予定日の7日後までに来ます。
- 出血があっても、それだけでは避妊できたとは言えません。薬による出血や妊娠初期の出血と区別できないことがあるためです。
- 服用から3週間後をめどに、妊娠検査薬を使うか医療機関を受診します。生理が7日以上遅れているときや、いつもより軽いときも検査します。
- 飲んだ後の性交による妊娠は防げません。その周期の残りは、ほかの方法で避妊する必要があります。
アフターピルを飲んだ後、次の生理はいつ来る?
日本産科婦人科学会の指針によると、服用した人の80%以上は、予定していた生理の日より前から、予定日の2日後までの間に生理が来ます。予定日の7日後までには、95%の人に生理が来ます。
一方で、生理の時期がずれることもよくあります。指針が紹介するWHOの試験では、およそ50%の人で生理が予定より数日早まったり遅れたりしました。また16%の人は、予定とは関係なく、服用から7日以内に出血がありました。
つまり、生理が少し早く来たり、少し遅れたりするのは珍しいことではありません。ただし「遅れているだけ」と決めつけるのも危険です。次の節の目安で、妊娠検査を考えてください。
出血があれば、避妊できたと考えていい?
出血があっただけでは、避妊できたかどうかは判断できません。添付文書と販売会社のQ&Aは、薬のあとの出血が、生理と区別できない場合があるとしています。
出血には、いくつかの種類があります。
- 消退出血: 薬のホルモンの影響で起こる、生理のような出血。国内の試験では46.2%に見られました。
- 不正子宮出血: 生理ではない時期の出血。試験によって1.2%〜31.3%と報告されています。
- 妊娠の初めのころの出血: 妊娠していても、出血が起こることがあります。
見た目だけで、これらを区別することはできません。出血があってもなくても、決められた時期に妊娠検査で確かめることが大切です。
妊娠検査はいつする?
薬局で買う薬(要指導医薬品)の使用上の注意では、服用してすぐには効いたかどうか分からないこと、服用から3週間後に妊娠検査薬か受診で妊娠の有無を確かめることが求められています。陽性だったときは、できるだけ早く医療機関を受診します。
薬局の薬剤師も、販売のときに、服用3週間後をめどに産婦人科を受診するか妊娠検査薬を使うよう説明することになっています。必要に応じて、妊娠検査薬を一緒に買うよう勧められることもあります。
日本産科婦人科学会の指針は、次のような場合にも妊娠検査を勧めています。
- 生理が予定より7日以上遅れているとき
- 生理がいつもより軽い(量が少ない・短い)とき
このとき医師は、妊娠だけでなく、流産や異所性妊娠(子宮の外で妊娠すること)の可能性も考えて診察します。検査薬で陰性でも、気になる症状があれば受診してください。
飲んだ後に吐いてしまったら?
飲んでから時間がたたないうちに吐くと、薬が吸収される前に出てしまったおそれがあります。このときの対応は、薬をどこで受け取ったかで違います。
| 医療機関(医療用の薬) | 薬局(要指導医薬品) | |
|---|---|---|
| 服用後2時間以内に吐いた | 学会の医師向けの指針では、医師ができるだけ早くもう1回分を出すことがあるとされています | 販売会社は、本剤を飲まずに医療機関を受診するよう案内しています |
| 服用後2時間を過ぎて吐いた | 指針では、追加の服用は要らないとされています | 薬を受け取った薬局か医療機関に相談してください |
どちらの場合も、自分の判断で手元の薬を追加で飲むことはしないでください。医療機関で受け取った人は、その医療機関に連絡します。薬局で買った人は、医療機関を受診します。吐き気が強く、薬を飲むこと自体が難しいときは、別の方法が考えられることもあるので医師に相談してください。
飲んだ後、その周期の避妊はどうする?
アフターピルは、飲む前の避妊の失敗に対して使う薬です。飲んだ後の性交による妊娠は防げません。日本産科婦人科学会の指針と販売会社のQ&Aも、この点をはっきり書いています。
また指針は、服用した後のその周期の残りの期間について、避妊は保証されないとしています。そのため、次の生理が来るまでは、効果のある避妊法を使うか、性交を避けるよう助言することとされています。
アフターピルは、主に排卵を抑えたり遅らせたりして働くと考えられています。飲んだ後のことまで守る薬ではないので、「もう飲んだから大丈夫」と考えないことが大切です。
低用量ピルを飲んでいた人は、いつ再開する?
低用量ピル(毎日飲んで避妊する薬、OCとも呼びます)を飲み忘れて、アフターピルを使う人もいます。日本産科婦人科学会の指針は、この場合、アフターピルの服用から12時間以内に低用量ピルを再開するとしています。
再開の仕方や、その間にほかの避妊が要るかどうかは、人によって違いえます。低用量ピルを処方した医師に、飲み忘れた日とアフターピルを飲んだ日時を伝えて、指示を受けてください。
これから継続して避妊したいと考えている人も、受診のときに相談できます。計画的に妊娠を避ける方法は、アフターピルとは別に考える必要があります。
アフターピルを2回以上使ってもいい?
同じ生理の周期のうちに、もう一度避妊に失敗することもあります。日本産科婦人科学会の指針は、1周期に2回以上使うこともありうるとしています。薬局向けの薬の審査でも、繰り返しの使用を禁じる科学的な根拠は乏しいとされました。
ただし、アフターピルを何度も使って避妊することは勧められていません。学会の資料は、アフターピルを頻繁に使っても、低用量ピルを続けて使う人よりも妊娠率がかなり高いとしています。
薬局では、短い期間に繰り返し買う人(目安は3か月に2回以上)に、避妊の相談のために産婦人科などの受診を勧めることになっています。これは買うことを断る決まりではなく、自分に合う避妊法を医師と考えるための案内です。
よく出る疑問
飲んだ後、すぐに妊娠検査薬を使っても分かりますか?
販売会社の資料は、服用してすぐには効いたかどうか分からないとしています。検査の目安は服用から3週間後です。それより早く調べたいときや不安なときは、医療機関に相談してください。
生理が来たのに、量がとても少なかったときは?
日本産科婦人科学会の指針は、生理がいつもより軽いときも妊娠検査を勧めています。出血が生理なのか、薬や妊娠による出血なのかは見た目では分からないので、検査で確かめてください。
アフターピルを使うと、将来妊娠しにくくなりますか?
WHOと販売会社は、将来の妊娠のしやすさには影響しないとしています。詳しくはよくある誤解のページで説明しています。
妊娠していたら、飲んだ薬は赤ちゃんに影響しますか?
添付文書には、飲んだ後に妊娠していた場合でも、生まれた子の奇形や流産などの割合は飲まなかった場合と差がなかったという海外の報告が載っています。妊娠が分かったら、飲んだ日時を医師に伝えてください。
- 緊急避妊法の適正使用に関する指針(令和7年改訂版・2025年4月)|日本産科婦人科学会(2026年10月9日に確認)
- ノルレボ錠1.5mg 添付文書(医療用・2022年2月改訂 第2版)|PMDA(2026年10月9日に確認)
- 要指導医薬品ノルレボ 審議結果報告書・審査報告書|厚生労働省(2026年10月9日に確認)
- 令和7年9月18日付 医薬総発0918第2号・医薬薬審発0918第3号(要指導医薬品の緊急避妊薬の販売)|厚生労働省(2026年10月9日に確認)
- ノルレボQ&A|第一三共ヘルスケア(2026年10月9日に確認)
- Emergency contraception(Fact sheet・2021年11月9日更新)|WHO(2026年10月9日に確認)
このページは、添付文書や国・学会の資料など公開された情報をまとめたものです。一人ひとりの状況(飲めるかどうか・妊娠の可能性)は判断できません。飲むかどうか、飲んだ後のことは、医師か薬剤師に相談してください。当サイトは医療機関・薬局の紹介も、薬の販売もしていません。